11月 10, 2009

11月10日(火)

[日記] —

p1010326.JPG                                            先般書店で急に読みたくなって取り寄せたミステリーです。腰巻き部分に東野圭吾氏の「乱歩賞史上最高のトリックだ」という書評がありますが、感想を正直に言えば導入部はとても惹きつけるものがありました。殺人方法のトリックそのものというよりは、そこに至るまでの犯人の周到な準備設定には「う~む」と唸りました。が私としては新聞広告などから判断して、もっと読者に対して挑戦的な謎解き本格推理小説を期待しており、その点では種明かしの過程がメリハリに欠ける、肩すかしを食わせた小説という印象を受けました。ましてやラストのオチ(?)は説明不足というか「だったら真相はどないやねん」と思わざるを得ず、きちんとオチもつけずに勝手に読者に預けて終わりという無責任な消化不良感を残しました。これでも乱歩賞受賞後に加筆修正して出版されたというのですから、つまらない作品とまではいいませんが、結論から言えば1,680円出して買うことはなかった。文庫になってから買うかまたは図書館で借りてきて十分。これまで乱歩賞受賞作品を読んだことはないと記憶していますが、この程度のレベルなのかというのが本音です。銭払って読みましたので敢えて好き勝手なことを言わせてもらいました。

 こうしているうちにもテレビでは次々ニュースが流され、英国人英語講師遺体遺棄容疑者市橋達也逮捕、島根県立大生遺棄事件のその後、俳優森繁久弥氏死去、茂木健一郎氏所得申告漏れなど・・。特に殺人絡みのニュースについてはミステリーの世界そのものというか、「事実は小説よりも奇なり」の言葉が現実味を帯びてきます。

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