1月 7, 2010

1月7日(木)

[日記] —

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 以前から自分の書く文で「~と思います」という表現が気になっていました。同じ言葉が続かないように「~と考えます」「~であろう」「~ではないか」などと言い換えますが、ほぼ同じ意味合いで使っていました。何故気になるかといえば、「~である」といいきるとそれは、万人に周知されているあたかも普遍の真理であるかの如き印象を与え、「そこまで言っちゃっていいんかな、他の考え方もあるんちゃうの?」という気がして、その余地を残しておきたいと感じていたからです。しかしそうなると自分の考えていること殆ど全てのことに、「~と思います」とつけなければならず、正直「めんどいわ」「めっちゃ弱気」と思えなくもなく、何とかならんもんかいなと考えていたわけです。
 
 外山滋比古氏の「思考の整理学」という本(写真)を1年ほど前にたまたま買って、最初はそうでもなかったのですが、最近面白くなって読み終えました。初版は1986年で2009年第51刷が発行されている本です。その「文庫本のあとがきにかえて」に、この日本人独特とも言える「~と思います」という言い方についての記述がありました。気になる方は本屋で立ち読みしていただくとして、私としては積年の宿題がすんだ気がして心が軽くなりました。本を読んでこのような気持ちになることはとてもまれである、という感じがします(これもその表現ですが)。

 内容についても私の体験上でも思い当たるような記述があり、これまで自分が「怠け者だな」と自嘲しつつやってきたことも、あながち無意味なことではなかったのかも・・・と認識を新たにしました。最初は何の本か分からずに「つまらん本だな」と思っていましたが、タイトル通り「思考の整理学」なのだと知り、こむずかしい内容ではなく誰にも参考になる、楽しくそしてこれからも読み返すであろう数少ない本でした。めでたしめでたし。

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